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礼拝メッセージ

裏切られてもなお愛し
ヨハネ18:12-27

あなたの人生における最悪の出来事とは何でしょう。ペテロは炭火の横で「あなたもあの人の弟子ではないの?」と聞かれ、「違う」とイエスの弟子であることを否認します。ところが復活のイエスはご自分で炭火を起こし、あの時わたしはあなたのそばにいたとペテロに伝えられるのです。そして「わたしの羊を飼いなさい」とまことの弟子の召命を与えます。主はあの人生最悪の場面にもあなたと共におられ、愛といつくしみのまなざしであなたを見つめておられたのです。

4つの福音書全部に、このペテロの裏切りは描かれています。それは、それが大切な出来事であり、彼の信仰の原点がそこにあったからです。ペテロはやがてキリスト教会のトップとなりますが、この恥ずべき自分の失敗ストーリーを聖書から削除せず、逆に、自分の人生を語る時には、必ずこれを語れと指示します。彼は、自分の罪、恐れ、愚かさに勝ったのはこの方だ、人類の罪に完全勝利して下さったのはこの方だと、告げざるを得なかったのです。

ペテロはイエスを守ろうと、マルコスという男の耳を切り落とします。「耳を切れ」などイエスは言われなかったのに。またそのあとも、のこのこついて行って大失敗を演じます。「この人たちを去らせよ」が主の御心だったのに。ペテロはイエスのお考えを無視し、自分のおせっかいの性質ゆえに、罪を犯し、自分を追い詰めるのです。僕らも同じく、しばしば神のご命令よりはるかに多くのことをしようとします。たとえ勇気がないように見える道であっても、御心は何かを考え、真の勇気をもって選ぶ者でありたいと思います。