元チェコスロバキア大統領ハヴェル氏は、ご自身の経験から、政治家の仕事ほど、自分の心のむなしさをカバーし自己肯定感を与えてくれるものはないと言います。すべての人間はその心が空っぽで、何かをすることでその虚しさが、意義と、名誉と、栄光で満たされることを必要としている。だからその虚しさを持ったまま政治権力に近づくと、その虚しさを権力で埋めることになる。ここに権力が乱用される理由があると言うのです。
それは決して、パパとママに愛されなかった心の貧困者が政権を取ったら、権力にどん欲になるといういうのはない。すべての人の心が空しいのです。イエスの望みは、イエスがその人のために為されたことを知り、それによって心満たされた人が政界に出て、イエスのように自らの権力を手放す人間になること。その時こそどんどんその権力を行使してほしいと。
政治だけではなく、イエスが為したことを知り、それによって心満たされた者は誰でも、最早、性欲というものに対してもわがままでなくあくまで忠実になれ、またお金というものに対してもわがままでなくあくまで寛大になれます。この忠実、寛大を主の恵みにより兼ね備えた人こそが、自分の賜物、手のわざ、職場を通して、世界を変えて行くことができるのです。