英語にはanother ideaという言葉があります。もう一つの思い、自分が考えるのとは別次元の考えという意味です。僕らはこれが最高と思っていろんなことを決め、物事を進めますが、それをはるかに超えるアイデアがあり、神はそれを実現される。これが歴史の支配者である神のなさり様であり、僕らを愛してやまない神のご人格なのです。
「ここに私を遣わしたのは、あなたがたではなく神なのです」このヨセフのことばは、神は、兄たちの罪や悪事からも、それが悲惨な結末に行き着かないよう守り、かえってそこから世界の祝福という次なるみ業を紡ぎ出される。それらすべてが神の御手の中に在る。私の知る神はそんな神だということです。
ヨセフの最終目的地は、神から頂いたあわれみを人に注ぐこと、そして神が自分を通して為そうとしておられる「全人類の祝福」という遠大なご計画の、一歩でも半歩でも為していくこと。そこに彼の人生目標がありました。ヨセフが神に託されたこの目標は、絶望とは対極のポジションにあり、これこそが彼の、窮すれど絶望せずの秘密だったのです。