初期のクリスチャンには様々なグループがありましたが、「十字架で辱められて死んだあと神がイエスを復活させた」ことを信じないグループは存在しませんでした。そして1世紀の歴史を調べると、「なぜ教会が誕生したのか」という質問に対して、「イエスの復活によって私たちは存在するようになった」と、全ての初期のクリスチャンは言っています。 しかし一方でイエスの復活を予想して福音書を書いた福音書記者はいませんでした。4つの福音書はどれも、「とんでもないことだとわかっているけど、本当に起きちゃったんだよね」と言っているようです。つまり当時のユダヤの文化脈においては、イエスの復活を巧みに考え出すことは不可能だったということです。 1世紀にキリスト教会が始まったことは事実です。そして復活は、なぜ教会が新しい時代が始まったと信じるようになったかを説明しています。と同時に、なぜイエスの死が不運な出来事ではなく、美しい夢の終焉でもなく、神の救いの御業のクライマックスだと信じるようになったかを説明します。従い復活は確かにあった、そしてその実(フルーツ)がキリスト教会だとNTライトは結論付けています。 逆に復活が無く、キリスト教会が生まれなかったら、人類の歴史はどうなっていたのでしょうか。人権、男女平等、福祉、病院システム、学校制度、これらはすべてキリスト教会がその起源です。つまり、これら全部がない世界がスタンダードとなるわけで、そんなのは想像するだけで恐怖です。復活があってよかった!と改めて思います。
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